Sayer Says in Japanese

Sunday, June 28, 2009

塩基配列の多重整列システムMISHIMA快調に動いています

科学紀元9年6月28日(日)
私の研究室のポストドク,Kirillが主として開発した塩基配列の多重整列システムMISHIMAを使って,現在いくつかのバクテリアゲノム配列の多重整列をしています。ウェブサーバー版MIHISMAも公開していますが,まだバクテリアゲノムほどの大規模データには不安定なので,研究室のマッキントッシュG5でStandAlone版を動かしています。Helicobacter pyloriの6ゲノムは6時間ほどで多重整列が完成。でも大腸菌ゲノム十数ゲノムは違いが大きすぎるのか,まだうまくゆきません。一方,サルモネラの12ゲノムは,まあまあ整列できました。ただ,謎めいたパターンがあって,はてさて。
 こうして強力なソフトウェアができると,いろいろな世界が見えてくるので,おもしろいのです。

Wednesday, June 10, 2009

国立遺伝学研究所創立当時の60年前にタイムスリップ

科学紀元9年6月11日(木)

まだ米国からもどって3日目なので,時差ボケがなおらず,午前3時半ですがぱっちり起きています。
昨夜,不思議な夢を見ました。自分が,60年前の,創立当時の国立遺伝学研究所を訪れているというものです。まわりにはのどかな田園風景が広がっていて,当時の実際の研究所の周辺とはちょっと違うのでしょうが。
 おそらくこんな夢を見たのは,60周年記念行事が6月1日に開催されたことと,私が国立遺伝学研究所の60年を駆け足で紹介したアニメ劇場の作成に携わったからでしょう。

斎藤成也

Sunday, June 07, 2009

Chicago空港にて

科学紀元9年6月7日(日)
現在,シカゴのO'Hare空港で日本に行くフライトを待っているところです。Food Courtに来て朝食を食べたのですが,あれ,以前にも同じ店に来た記憶が。たしか4年前にアリゾナで開催されたSMBEに出席した時,ここから飛んだのでした。外は雨ですが,飛行機が飛ぶには大丈夫でしょう。
 東アイオワ空港からシカゴに来る飛行機に乗るためにタクシーに乗りました。運転手さんと少し話をしました。彼は10年前にスーダンから来て,最初は労働ビザ,次にグリーンカード,そして米国の市民権をとったのだとか。子供はいるけれど離婚しているとか。数ヶ月したら,故郷のスーダンの首都,ハルツームを訪問するんだと言ってました。ハルツームは大都会だろうねと振ったら,そうだ,600万人の人口がある,と誇らしげに話していました。今グーグルマップで調べて見ましたが,ほとんど情報がなく,どれだけ大きな街なのか不明。でも近くを白ナイルが流れていることはわかりました。グーグルマップって,ほんとに便利です。

Saturday, June 06, 2009

SMBE2009 at Univ. Iowa (2)

科学紀元9年6月5日

時差ぼけのため,また現地時間の午前5時前に目覚めてしまいました。SMBE (Society for Molecular Biology and Evolution)は,1980年代前半に創刊された分子進化学の学術雑誌,MBE (Molecular Biology and Evolution)を支えるために,1992年に誕生した学会です。最初雑誌がはじまって,あとで学会が立ち上がるという,珍しい例だと思います。私は1996年からMBEのAssociate Editorをしています。最近はこの大会に4回連続して参加しており,今年の米国アイオワ大学の会議には大学院生1名と一緒に参加しました。昨年(科学紀元8年)のスペインバルセロナでの大会には,私の研究室から6名(うち大学院生3名)が参加。その前の科学紀元7年,カナダのハリファックスで開催された大会には,私の研究室から4名(うち大学院生1名)が,さらに科学紀元6年,米国のアリゾナ州立大学 (at Tempe;フェニックスのすぐそば)での大会にも,大学院生1名と一緒に参加しました。
 来年,科学紀元10年は,7月4日〜8日にフランスのリヨンでの開催です。また参加する予定です。

 昨夜のポスター発表で,数年前に上海で会ったルーマニア人と再会しました。当時彼は大学院生で,指導教授がドイツから上海の研究所(マックスプランク財団と中国科学院との合同で設立された, Computational Biologyの研究所)に移ったので,一緒についてきていたのです。ただ彼にはすでに妻子がおり,奥さんはドイツにいて,子供さんはルーマニアの祖父母のところにいて,家族3人がばらばらでした。彼とは上海で毎晩のようにバーに行って飲んでいました。カナダに移民の手続きをしているとのことで,どこかポストドクとして受け入れてくれるところがないかと聞かれたので,知り合いの研究者の名前を出しておきました。そうしたら,昨夜再会したときには,まさにその研究者のところにポスドクに行って,今は家族で一緒に住んでいるとのこと。少しはお手伝いできて,うれしかったです。

斎藤成也

Thursday, June 04, 2009

SMBE2009 at Univ. Iowa

科学紀元9年6月4日
昨日から,分子進化学の国際会議,SMBE2009に出席しています。今年は米国アイオワ州のアイオワ大学で開催されています。昨夜のWelcome Receptionで,アイオワ大学の女性の学長が,ダーウィン進化論から150年,ダーウィンの誕生から200年の今年を記念する,なかなかすばらしい演説を私たちの前で行いました。米国は進化論をみとめない人々もけっこう多いのですが,大学という,文明を支える重要なシステムの中で,ほっとしたひとときでした。
 そういえば,この大学ではないのですが,木村資生先生は,米国に留学されたとき,最初AmesにあるIowa State Universityに1年滞在し,その後ウィスコンシン大学に移られました。Iowa State Universityにいる分子進化学者はそのことをとても誇りに思っています。

斎藤成也