Sayer Says in Japanese

Wednesday, December 28, 2011

欧米への旅行には段ボール箱は使わない方がいいでしょう

2011/12/29

今回のToulouse行きは1ヶ月という少し長い期間だったので、荷物が多くなりました。そこで、大型のスーツケースでは足りなくて、段ボール箱にいろいろ追加の荷物を詰めて送りました。成田空港ではなんの問題もなく、チェックインできました。段ボール箱をチェックインすることは、少なくとも日本や中国などアジアの空港では時折見かけます。
 ところが、フランスのトゥールーズ空港に到着して、荷物が出てくるBaggage Claimで待っていたら、スーツケースは出てきましたが、段ボール箱がいっこうに出てこないのです。最後まで待ってもだめでした。そこでスーツケースだけ持っていったん外に出て、迎えに来てくれた共同研究者に事情を説明し、航空会社の荷物に関する窓口に行きました。係員はきれいな英語を話す人で、彼が荷物担当係と連絡をとってくれて、なんと段ボール箱は届いたけれど、自動的にカーゴのほうに送られたとか。スーツケースだけが手荷物扱いになるそうです。10分ほど待って、無事段ボール箱が出てきました。
 帰国する時にも、段ボール箱をスーツケースと一緒にチェックインしようとしたら、断られました。段ボール箱はやはりカーゴ用の窓口に持って行けとのこと。成田空港では無事に出てきました。私の荷物が出てくるまでに、私の以外の段ボール箱が4個ありました。アジアでは現在でも段ボール箱が使われているという証拠です。ほっとしました。
 旅行業者の方にあとでお聞きしたところ、そういえば米国の空港でも段ボール箱は別扱いだったとのことでした。ということで、段ボール箱は欧米への旅行では使わないほうがいいという結論です。

斎藤成也

生物学の論文における生物種名

2011/12/29

今年は11月中旬から12月中旬まで、共同研究者, Blancher教授のいるフランスのトゥールーズに滞在していました。いろいろな話をしましたが、そのひとつが、生物学の論文における生物種名です。前から気になっていたのですが、モデル生物を使った研究では、時折その生物名を書かない論文を目にすることがあります。最近は減ったのかもしれませんが、十数年前、あきらかにパン酵母 (Saccharomyces cerevisiae)を用いた研究でありながら、この種名が論文内のどこにも出てこない論文にいくつかお目にかかったことがあります。おそらく、この生物を研究している人々にとっては、遺伝子名を見ればパン酵母であることは明らかなのでしょう。しかし、これはやはり問題だと思います。
 同じように、ハツカネズミ(Mus musculus)、最近は日本語でもマウスということが多くなりましたが、これも代表的なモデル生物なので、全世界に多数の研究者がいるためか、パン酵母と同じように、論文のどこを探しても学名はおろかmouseとすら書いていない場合があります。それをBlancher教授に伝えたら、彼も同じ経験があるよと言ってくれました。こちらも、遺伝子名が少しヒト (Homo sapiens)の場合と異なるので、マウスの専門家ならわざわざ書くことをしないのでしょう。しかしこれもまた傲慢というものです。モデル生物ばかり研究している研究者は、どうも生物の多様性をおろそかにする傾向があります。生物学の論文ならば、研究にはどの生物を用いたのか、きちんと書くべきです。

斎藤成也