Sayer Says in Japanese

Friday, January 04, 2008

中世ヨーロッパ(中公バックス世界の歴史3)

科学紀元8年1月4日夜 のだめ欧州特別編を見たあとに

 亡き岳父の残した書の中から、標記の本を見つけて正月休みに読んだ。1968年に刊行されたものであり、大部分は堀米庸三氏が執筆、後半の一部を当時東京大学教養学部助教授だった、故木村尚三郎氏が執筆したもの。僕はここ数年、ほぼ毎年のようにフランス南部の都市、ツールーズを訪問しているので、中世ヨーロッパの歴史が身近に感じられるようになった。異端のカタリ派の最後の拠点となったいくつかの城跡も訪れたことがある。今では、カタリ派の淵源となったマニ教、さらにはゾロアスター教の二元論が生命の安定性を語るために必須のメカニズムであると考えている僕にとって、ボゴミールからカタリに受けつがれたこの二元論思考は、異端どころか正統派だ。それにしても、中世ヨーロッパが、ひいては現在にいたるまでいかに欧州文明がキリスト教に基づいていたのか、換言すれば、いかにキリスト教に毒されていたのかが、よくわかる。
 フランス人の共同研究者にあちこちの教会建築を見せてもらったので、今ではロマネスク建築とゴチック建築の違いが体感できる。

斎藤成也

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